ディンギー製作記-3

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ディンギー製作記-3


  • 3-0 ハル・ボトム作業
    • ハル(船殻)外側チャインのエポキシ充填とグラステープによる強化、ボトム全体のファイバー・グラッシング(sheathing)および各種ランナーの取り付け、そしてハル・ボトムの塗装まで。

  • 3-1 チャインのエポキシ充填(6/12)
    • チャイン部を整形する前にスティッチした外板外側の隙間(ギャップ、エポキシが浸透するようにこれが必要)をエポキシで埋めていきます。それにスティッチの銅線穴も塞いでおく必要があります。外板内側をべベルカットしスティッチしているため外側にギャップが出来ていますが、さすがにどこも均等な隙間というわけにはいかない。打ってつけの隙間が空いているところもあれば、ほとんど密着しているところもあり(特にボトムパネルとその両脇のパネルでは)、そうしたところは敢えて溝を掘りエポキシで埋めるということもするそうですが、滑らかなラインで溝切りする自信がないのでこのまま。
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      ギャップの奥までエポキシが浸透するよう、抜けができないように少し柔らかめのフィレットを作りシリンジでギャップに充填していきます。これだけでは狭いギャップの奥まで浸透しないかもしれないのでその後ヘラでフィレットを押し込みましたが、そのせいで周りが汚くなっちゃった、もっともこの後サンディングするんですけどね。銅線穴も見落としないよう全部エポキシで埋めました。バウのギャップは接合角度が小さいためこんな風に綺麗にフィレットで埋めることができます。
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      さて、ギャップを埋めたのでこれからチャイン部にアールを付けて整形します。まずは接着のことを考えて少し大きめに作っておいたトランサムの整形から。
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      アサリのないノコを外板の角度にぴったり密着させトランサムの飛び出た部分をカットしていきます。こうして船型を眺めてみるとそのチャインラインがはっきりわかりますが、木造艇自作先輩のNさんから次のように助言されていたのです。

      • 合板素地~パテ~ファイバーと進みますと此のラインが更に不鮮明になり、スターンからのエッジがバウ付近で急に消えたように見えます、下地のパテの段階でフェアーなラインを意識していないと仕上げ塗装で光沢が出ると目立ちます。

      まったくおっしゃる通りでいきなりチャインをカンナなり紙やすりで整形してしまうと、チャインラインが見えなくなってしまい、塗装したらラインが波打ってしまう。前にカヤックを作った時が正にそうでした。Nさんからの助言を心に留め、ギャップに埋めたフィレットによりラインがはっきり見えているうちに、チャインラインの整形を丁寧に行うことにします。Nさん、ご助言ありがとうございました。外国の方で、ラインがはっきり確認できるようにグラファイト(黒鉛)粉を振りかけているのを見たことがありますが、そこまではね。

      さて次はチャインラインの整形、残念ながら合板端がピッタリ合っている箇所もあれば段差が出来ている箇所もありますから、スムースなラインになるよう(といっても低い方に合わせて削るしかありませんが)心がけます。その前に作業中船がぐらつかないよう足を付けて簡易船台としました。
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  • 3-2 チャインの整形とグラス補強(7/11)
    • この季節、工房内湿度は半端なく高く、手で触ると合板が湿っているのが分かります。雨の上がった午後に窓を開け放ち、風を入れ、必要なら除湿器を作動させての作業となります。紙やすりで合板を研磨すると、削り粉もサラサラしていないような気がしますから、作業は控えた方が良いのかもしれませんが。

      さて、前回書いた通り埋めたエポキシのラインをよく見てスムースなチャインラインになるようパネル接合部を削っていきます。ついつい楽をしようと電動サンダーを使いたくなりますが、これだとエッジがダレますから、まず洋鉋(ローアングル・ブロックプレイン)で削り、その後大きめの台木に挟んだ紙やすりで仕上げます。白っぽく見える鉋屑はエポキシを削ったものです。

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      パネル接合部に段差が最も生じているのは中央のセンターパネルとその両側のパネルです。ここはどうしてもパネルを削りチャインラインを真っすぐに通す必要がありました。そこ以外のチャインではほとんどパネル同士の段差はなく、比較的容易にスムースなラインが得られました。

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      すべてのチャインを整形しました。サイドパネルは比較的容易に成型できましたが、センターパネルは所々隣り合うパネルを削る必要がありましたし、バウ・ラインを作っているパネルの整形は結構難物でした。

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      というのも下部サイドパネルをスティッチした際にバウ先端がどうしても上手く合わせられなかったからです。細いパネル先端をこれ以上寄せられず、そのままミドル・サイドパネルのスティッチをすることになってしまいました。段差はせいぜい2mm程なのですが、それでもスムースなラインにするためには写真のように下のプライまで削る必要がありました。

      写真に見るように充填したエポキシがセンターから少しずれていますが、これはサイドパネルの先端が僅かにズレていたためです。ここは予め整形してからエポキシを充填すべきでした。

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      まぁこうした不具合というかズレがあるもののバウラインそのものは見た目綺麗に出来上がったと思います。目で見るだけでなく手(指)で触り滑らかな感触が得られるかどうか何度も確認してバンプを削っていきました。まだラインエッジが立っている状態ですが、これからR(アール)をつけファイバーグラス・テープによる補強を行います。

      次にチャインをファイバーグラス・テープで補強します。マスキングしてからテープをのせたのに結構汚くなってしまった。バウラインも一枚のテープで切れ込みを入れる必要もなくカバーできました。このグラッシングだけで混合したエポキシは586gでした。

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      この後でファイバー・グラッシングをするのできちんとフィルコートまではしません。エポキシ硬化を待つ間にキールランナーやスケグなど造作を準備しておきます。スケグは6mm厚合板を二枚積層しますが、使用した端材が微妙に反っている。スケグが歪んでいては困るため、二枚をエポキシで接着する際に平らな板の上に乗せ、スケグを下の板にビス留め圧着してしまうことにしました。ビス穴が開いてしまいますが、反り(特に先端部)があるよりは良いだろう。

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      おっと、ダガーボードが出入りする開口部も綺麗に開けておかなくちゃ。フラッシュトリム・ビットをつけたトリマーで10秒もかからず完了。

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      ファイバーグラス・テープの厚みで出来た段差(特にエッジ)を研磨したら次はボトム全体のファイバーグラッシング(sheathing)です。

  • 3-3 ボトムのグラッシング(7/24)
    • ハル・ボトムのグラッシングに備えまずサチュレーション・コート。マリン合板がエポキシで濡れるととたんに木目がはっきりし濃く発色します。チャイン部のファイバーグラスを研磨した跡が若干残っていますが、これはグラッシングしたら分からなくなることを期待。

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      カヤック二号艇以来久々のグラッシングです。まずチャイン部のファイバーグラスで補強した部分の段差を研磨したのですが、使い慣れたオービタル・サンダーのパッドが壊れてしまい(消耗品です)別のサンダーを使ったところ、ボンヤリしていたためでしょうバウ近くのパネル表材を一層削ってしまいました。はっきりと凹みが出来てしまったので仕方なくエポキシ・パテで充填補修。こういう時は厚手のプラフィルムを張っておくと綺麗に仕上がります。

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      さて使用したファイバーグラスは6oz、幅104cmのもの、当然一枚ではハル全体を覆えないため、船底中央のボトムパネルの所で左右を合わせることにします。写真にはパネルの補修個所がはっきり写っています。

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      ポートサイドのグラッシングを終え、スターボードサイドにファイバーグラスを置いたところです。スターンからファイバーグラスを置いていきますが、船幅の一番広い部分からバウに向かい徐々に狭まっていきますからバウ付近ではファイバーグラスが二重になります。中央部で一か所切り込みを入れる必要がありました。

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      そもそも建造指示書にはグラッシングせよとの指示はありません。強度的に不安がありますがそこは6mm厚マリン合板、問題なしとはいえグラッシングしておく方が無難というものでしょう。ちなみに設計者の本には『グラッシング(英国ではsheathingと呼びますが)しておく方が耐久性に優れるし、売る時に高く売れる』とありましたね(笑)。

      しかし結構な量のエポキシを要するでしょうし、それゆえ重量がかさむことになります。おそらく3kgから4kgのエポキシを使う必要があるでしょう。そこでエポキシは必要にして最小限の量を使用することとし、ぽったり厚いグラッシングは避けることにしました。ファイバーグラスにエポキシを浸潤させた後、浮いている余分なエポキシはスキージで拭い取ってしまいます。その結果、グラッシング直後のファイバーグラスはこんな風に見えます。はっきりと織目が見え、浮いてテカっているエポキシはほとんどありません。

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      もちろんこのあと織目を埋め平滑な塗装下地を作るために4~5回のフィルコートが必要になります。作業場の気温は26℃を超えていますので、#3(slow)硬化剤を使用し可使時間を稼ぐ必要がありました。もっともフィルコートはスキージをかける時間を入れても30分ほどで完了しますので、硬化時間を短くするために#2(medium)を50%まで混ぜて使用しました(そのため拭い取ったエポキシが紙コップ内で発泡しました)。

      使用したエポキシ(混合量から余した量およびスキージした量を差し引いた量)は次の通りでした。

      • グラッシング使用量:947g+920g=1867g
      • フィルコート1回目:312g
      • フィルコート2回目:313g
      • フィルコート3回目:346g
      • フィルコート4回目:241g

      4回目のフィルコートを行う前に目立つブツブツや凸凹を軽く研磨したため4回目のエポキシ使用量が少なくなっています。こうしてフィルコートを繰り返した後の様子が次の写真です。左写真は3回目を終え軽く研磨したところ、右は4回目のコートを終えた様子です。

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      ファイバーグラスの織目(weave)はほとんど埋まっていますが、薄いコートを心がけているにも関わらずお決まりのウネウネ模様がはっきり見えます。さて、もう一回フィルコートするかあるいはここで研磨しても良いか悩みどころです。

      というわけでファイバーグラッシングを済ませ、合計エポキシ使用量は3079gとなりました。キチンとこれだけ艇重量が増加したわけですが、高温高湿条件下ゆえ時間に急かされながらの作業にしてはまぁまぁの出来というところでしょうか。反省点はいつものようにイヌ毛(ヴィッキーの柔毛)が塗りこめられちゃったこと、それに使用したローラーの回転が悪くなっていたのに無理して使ったためエポキシを白濁させてしまった箇所があることです。

      (7/25追記)
      1回研磨を挟み都合4回のフィルコートを行いました。織目(weave)はほぼ十分に埋まっていますが表面にはまだ凸凹やウネが見られます。フィルコートを重ねてもこの凸凹の上にそのままエポキシ層が形成されるだけで平らにはならないため、ここでエポキシ層を平らに研磨します。壊れてしまったオービタル・サンダーのパッドも米アマゾンから届いたのでちょうどよいタイミング、#80で手早く研磨していきたいところですが、さすがに#80ではエポキシにはっきり目立つ傷が残ってしまうため、#120を使いエポキシの凸凹を平らにしていきます。

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      #120での研磨はすぐに目詰まりを起こしてしまいサンディング・ペーパーを頻繁に取り換えねばならず不経済ですが、#80の上はこれしか手持ちがなかったので仕方がない。防塵マスクを装着し、手には薄いゴム手袋をはめ(時々表面の具合を触って確かめます)、サンダーを集塵機に繋ぎ、エアクリーナーをかけっぱなしにして丸一日かけてハル全体を研磨しました。写真は集塵機に溜まったエポキシ研磨粉ですが、非常に細かいダストなので集塵機のフィルターが目詰まりを起こしもう少しでモーターが焼けちゃうところでした。

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      どうしも取り切れない凹み(shiny spot)が所々に光っていますが、これ以上はファイバーグラスまで削ってしまうことになるので研磨はここまで。この後、もう一度薄くフィルコートする予定なのでそこで凹みが埋まることを期待します。

      5回目となる最後のフィルコートが塗装下地になります。ここでは塗布したエポキシを硬めのスキージで強くこそげ取ってしまい、薄いエポキシ層を残すだけにしないとまたエポキシの垂れが生じてしまいます。強くスキージした結果、使用したエポキシはハル全体で115gでした。写真はファイバーグラッシングを終えたハルの様子、塗装前には大きな番手のペーパーでもう一度表面を荒らすことにします。

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      ファイバグラッシングは作業としては大きなものですが、船の造作としてはこれからが本番です。

  • 3-4 スケグ、ランナーの取り付け(7/31)
    • このディンギーには伝統工法で呼ぶところのキール(竜骨)はありません。そのかわり幅180mmのセンターパネルがあり、これはひとえにS&Gによる製作工程の簡素化のためでしょう。構造的にはまったく問題なしとはいえ、船を引きずったときとか直進性を保つためにはハル中央にスケグと補強材が必要となりますので、以下のような船底造作を行います。

      • ダガーボード・ケース後方から船尾までのスケグ(高さ150mm)
      • ダガーボード・ケースを挟みバウからスターンまで走るキール・ランナー
      • 下部サイドパネル中央部の両サイドに1000mm余りのビルジ・ランナー

      グラッシングの済んだハルにこれら造作材を取り付けていきますが、この部分だけは木部と直に接着しておきたいのでグラッシングしてありません。まずはスケグの取り付け、次にスケグを挟みバウからスターンまで走るキールランナーの取り付けです。いずれも堅木の使用が指示されていますが、軽い檜角材を使うことにし、接着後ハルパネルとの間をエポキシ・フィレットで補強します。


      まずはスケグを補強するキール・ランナー材を1.4mほどにスカーフします(バンドソー買ってよかったと思う瞬間)。

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      このキールランナーでスケグ両サイドを補強するわけですが、スケグ取り付けでなにより大事なのはセンターラインに垂直に接着されること。そのためにスケグ(すでにファイバーグラッシングしてあります)の両端に写真のような固定用治具を取り付けました。左は治具というよりキールランナーに一部でスケグとセンターボックスの間に入るもの、これでスケグの前方端を固定します。右写真(上から船尾を写しています)はスケグの後方端を垂直に固定するための治具です。トランサムにセンターライン目印をつけておいたので、それに直行する板を固定し、さらにそれに直行する垂直な角材でスケグを挟み込んでやります。

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      こうしてまずスケグの所々に5分間硬化型エポキシをチョンづけし、ほかの部分にたっぷりエポキシを塗ってから数分間固定しておきます。本番の接着用エポキシは可使時間が20分ほどあるのでその間に急いで補強材をスケグ両サイドに取り付けます。

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      補強材の船尾端を治具で押さえつけ、船尾のカーブに沿って反対端を押し付けていき、端を天井からの突っ張り棒で固定します。一応補強材を両側からクランプしておきます。ただ真っすぐな材を弓なりに曲げていますのでどうしても浮く箇所があるので(船底のカーブが均等でないからかも)、さらに強く押さえつけるためクサビで力をかけておきます。

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      スケグと補強材取り付け手順をあらかじめ考えて作業に望んだのですが、船尾治具の固定がちょっと甘かったようで、あちこちに力をかけてるうちに少しだけズレてしまった。その結果、スケグが船のセンターラインから2mmズレてしまいました。治具をビス留めして臨むべきでした。

      (7/31追記)
      ダガーボード・ケース両側およびその前バウまでのランナーを取り付けます。前回と同様に天井から突っ張って接着しますが、材が短いためどうしても浮が生じてしまい一か所だけビス留めしました。

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      三分割してとりつけたキールランナーですが、いずれもエポキシによる接着のみです。接着に不安があるわけではないのですが、ボトムパネルとの間にフィレットを施しておきます。まずはマスキングから。

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      フィレットには施工後すぐにナイロン布をそっと置いてやるとすぐにエポキシが浸みていきますが、ナイロン布を動かしたり、押してフィレットを整形しようとはしません。さもないとナイロン布に皺が寄りそのまま硬化してしまい後で泣くことになります。こうしてナイロン布を張っておくとフィレット表面はほとんど平滑な仕上がりが期待できます。

      施工したフィレット表面は左写真のようにかなり凸凹ですが、ナイロン布を張って硬化後剥がすと右写真のように平滑になります。右下に見えるのはグラスの織目をフィルコートしていない部分です。

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      次はダガーボード・ケース開口部補強のためケース内側からキールランナーまでファイバーグラスを張ります。場所が場所だけにドライ法をとることが出来ず、ウェット法、つまり予めエポキシを浸潤させたファイバーグラスを施工箇所に置いていくことにしますが、キールランナーにフィレットを施工しR(アール)を付けたのはこのためでした。

      ダガーボード・ケース内にエポキシが垂れると困るので、浸潤させるエポキシの量は必要最低限にしましたが、それでもあとで乗せたナイロン布にはエポキシが浸みていきます。

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      こうしてバウからスターンまでキールランナーが取り付けられました。フィレットを整形研磨したら塗装工程に移ります。

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  • 3-5 ボトム塗装(9/2)
    • すでにフィルコートを繰り返す間にエポキシの凸凹を研磨し、最終のコートは非常に薄いエポキシ塗膜を施しただけですので、塗装下地を作る研磨作業はそれほど手間がかからないと思われます。

      まず、出来るだけファイバーグラスを削らないよう#220で全体を研磨します。手間はかからないと予想したものやっぱり結構な時間がかかり、結局一日では仕上がらず。というのもあちこちに残るシャイニースポット(研磨されずに残った低い部分)を研磨する必要があるのですが、日が傾いてくると照明不足でこれらが見えなくなってしまったからです。

      翌日気を取り直して再度#220で研磨していきました。おおよそスポットが消えたと思っても削り残しはあるもので、手で表面を撫でて指先に感じる凹みにチョークで印をつけていきます。

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      これらはピンホール程度の小さな凹みですので、#320に替え深く削らないよう注意しながら凹みを研磨し、周囲との段差をなくしていきます。恐らくこれらスポットは小さな気泡が入ったかあるいは硬化前に塵が入ったためと思われます。#320ではすぐにサンディング・ペーパーが目詰まりを起こしてしまいますが、これ以上粗い番手では削りすぎてしまいます。

      こうしてエポキシ層を平らにし塗装下地を作りました。触った感じはツルッツル、このまま直ぐに塗装に入れそうですが、その前にキールランナー脇のフィルコートしていなかった箇所とキールランナーにエポキシコートを施しておきます。

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      代り映えのしない画像ですが、ハル・ボトム全体のサンディングが終わりました。キールランナーのうちバウ部分はグラッシングしておきました。さて塗装に備え工房の大掃除。今日は打ってつけの北寄りの風、ドアも窓も開け放ちブロアー(以前集塵機のエンジンとして使用していたもの)で工房全体隅から隅までホコリ、チリ、木粉などを吹き飛ばしてやります。盛大に舞うホコリを避けるため船には養生をしておきます。

      塗装前の状態 塗装前の状態

      (8/24追記)
      せっかくのマリン合板、『ペンキはいつだって塗れるから、しばらくはニス塗りのままにしておけば良いよ(Arthur Ransome)』との仰せに従ってニス塗装にしました。とは言え本物のニス(Varnish)は施工が難しい(一度カヤックで失敗経験あり)ため容易に塗れて耐久性の高い水性リニア・ポリウレタン塗料(クリア)を使うことにしました。小分けサンプルを入手して試用してみたら最低三回の塗り重ねが必要ですが、使いやすい塗料だと感じました。

      工房の掃除は済んだし、船底も綺麗にマイクロ・ファイバー・クロスで何度もぬぐい(水性塗料のためタック・クロスは使うなと指示あり)、床には霧を吹き、不織布ツナギを着込んで施工に臨みます(さすがに裸ではやりません)。工法は「ロール&ティップ」、ローラーで塗る傍からフォーム・ブラシで軽く拭ってやります。きれいに気泡が消え、撫でたラインは残りますがこれはレベリング中に消えていきます。

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      比較的短時間で(25℃、湿度75%で一時間以内に)タックフリーになりますが、念のため翌日の塗装作業までビニールの覆いを被せておきました。二回の塗装ではまだツヤが出てきませんが、三回目が済むとこんな状態です。

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      おぉ、鏡のようにとはいかないけれど、映ってる。あと二回塗装を繰り返し、最後の塗装ではクロス・リンカー(架橋剤)を添加し塗膜の強度を高めます。

      (9/2追記)
      ここまで上手に塗装できたので意気込んで迎えた4回目の塗り、気温が高かったため(真夏のこの時期に塗装しようという方が間違ってるけど)硬化前時間を稼ぐために希釈水を多くし、20%希釈でやっていたものをマニュアルにある最大値30%まで希釈しました。塗料の硬化が速く十分なレベリング時間が取れないためですが、これが敗因。カバーを被せて翌朝見てみたら塗料の濡れが悪く、レベリングせず刷毛目が残っている箇所がたくさんありました、ガッカリ。このまま塗装を繰り返すわけにはいかず、再度研磨。研磨した面には二回の塗装ではつやが出てこないため、ここからもう三回塗装を繰り返すことになりました。今度こそ一発で仕上げようと目論んでいたのにな。

      という訳で都合6回の塗装を繰り返し、7回目にクロス・リンカー(架橋剤)を添加して最終塗装を行いましたが、ちょっとした油断のお陰で大いに手間を食いました。出来はと言えば期待したレベルには達しておらず「まぁいいか」と自分を慰めるしかありませんが、写真にとると綺麗に見えるかもしれません。

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      さてこのページはこれにて終了、次ページからはフィッティングに入ります。その前にフィッティングとはこうするものだというお手本を知るべく知人のビーチハウスに置いてある(今はなき)英国マクナルティ・ボート製のディンギーをじっくり見てきます。


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