SOFボート製作記ー4(進水まで)

CONTENTS

  • 塗装
  • カットウォーターとアウターキール
  • ターンオーバー(6/22)
  • ラブレイル(6/24)

進水までの作業

  • ハル塗装
  • カットウォーターとキール
  • ラブレイル

4-0 ステム補強

両エンドのステムにダクロンのバイアス布を接着し補強します。バイアスだからよく伸びて皺は寄らないだろうと思ったけど、やっぱり皺が出来ました、残念。少し補強用布の幅が広すぎたかもしれない。この後カットウォーターをビス留し、さらに補強します。

4-1  塗装

スキンであるダクロンに防水塗装を施します。ナイロンと違いポリエステルには大抵の塗料が浸透するから、マニュアルにはどんな塗料でも良いみたいなことが書いてあり、油性ニス、水性ニス、ウレタン塗料(一液性でも二液性でも)、(ハルに色を付けるなら)普通の外装用ペンキでOKだそうだ。それゆえディンギー塗装に使ったSystem Threeの(高価な)リニア・ポリウレタン塗料はやめ、ごく普通のウレタン塗料(床用)を使います。S3のものは木部表面に大変硬い塗膜ができたが、今回は塗料がダクロンに浸潤し、ダクロンが防水膜となりかつ強度が増すことが目的と思われます。

表面を丁寧にタッククロスで拭った後、キールとガンネルにマスキングし(後でエポキシによる接着をするので)、大きめのローラーで塗っていきます。大事なのはダクロンにちゃんと塗料が浸潤していることで、それを見やすくするため内側からライトを当てて濡れていない個所がないように注意します。

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うーん、骨組みが出来たときには「これは木製バスケットだな」と感じたものだが、スキンを張ってみると今度は「ランプシェード」だ。船として使わなくなっても、部屋の中に置いて綺麗なランプシェードとして使えば良い。

ダクロンが濡れると、もちろん透明にはなりませんが、内側のストリンガーやケブラー(これらにもウレタン塗料がつくから)の色が濃くなり外側からはっきり見える。

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一回の塗装でダクロンへの浸潤はおそらく十分、硬化してしまえば塗装を繰り返してもさらに浸潤することはないから、2回目3回目の塗装は表面の織目を滑らかにすることになるのでしょう。

4-2 カットウォーターとアウターキール

3回目の塗装をする前に若干の木部作業をしておきます。ハル(スキン)の外側、ステムにカットウォーターを設置、そしてアウターキールを設置します。すでにウレタン塗装したダクロンの上からですからビス留めですが、エポキシでも接着しておきます。ただし、相手が樹脂の染みたポリエステルですから接着力は十分なものにはならないでしょう。

作業中スキンに絶対エポキシを垂らしてしまうから、まずは養生。予め曲げてあるカットウォーター(アッシュ材)をビス留めしたら、2900mmのアウターキールも接着+ビス留めします。道糸を張ってキールの直線を出しました。

ビス留めしたら、はみ出たエポキシを指でならして小さなフィレット状にしてやります。すぐにマスキングテープを剥がすとこんな様子。

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たった5mm厚のアウターキールですが、これがあるだけでも少しは直進性が良くなるでしょう。

作業を終えたのが日が落ちてからだったので、先日友人に言われた「ランプシェード」を思い出し、中にLED電球を入れ照明を落として写真を撮ってみました。たしかにランプシェードだ。

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(2018/06/20)

4-3 ラブレイル

3回目の塗装を終えたのでターンオーバー。使用した塗料は

  • 1回目:401g
  • 2回目:213g
  • 3回目:180g

合計794g、ローラーに残った分はカウントしていないので恐らくこれより少ない量と思います。3回の塗装ではダクロンの織目が完全には埋まっていませんが、埋めちゃうと表面がビニールみたいに見えるから、このまま布地のテクスチャーを残しておきます。余分のダクロンとケブラーを切り、ラブレイル設置の準備です。この週末に完成させます。

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(updated 2018/06/22)

ガンネル外側には熱接着テープでケブラーとダクロンが接着されています。その上にラブレイルをビス留めしダクロンを押さえつけることになりますが、さらにエポキシを併用することにより少しでもダクロン接着を補強できればと思います。樹脂が滲みていますからエポキシといえども強力な接着は期待できませんが、まぁ気は心というところで。また、ガンネル上部にはダクロンの切り端が出ていますが、これをエポキシで固着してやることも期待します。

まず生の(フィラーを添加していない)エポキシを筆でガンネルのダクロンに塗っておきます。粘度が低いエポキシが滲みてダクロンが濡れていくのが分かります。その後フィラーを加えたエポキシでラブレイルを接着、要所をビスで留めていきます。

ラブレイルはガンネルと同じ米ヒバ材で、製材した時から曲げて置いておきました(マニュアルにそうしておけと記載があった)ので、曲げに苦労することなくシアーラインに沿って取り付けることが出来ました。ただ、ケブラーが留めてある位置を避けてビスを打たねばならなかったのと、リブとガンネルを木釘で留めたのでそれを避ける必要があったため、ビスはリブを貫通してはいません。そのため留める力をかけるために真鍮ローゼットをかましてあります。もっともローゼットはお化粧の意味合いが強いのですが。リブ毎にビスを打つ予定でしたがちょっと煩い。ピットブル御用達の首輪みたいに見えるので、バウとスターン付近を除いてリブ一本おきに留めています。

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エポキシが硬化すればガンネルからはみ出たダクロンはカンナで綺麗に削れるでしょうから、その後サンドペーパーを掛けてウレタン塗装すれば、作業工程はすべて終了です。

(updated 2018/06/23)

ガンネルとラブレイルとの接着部分からはみ出たエポキシ、それにエポキシが滲みたダクロンを丁寧に削り取っていきます。エポキシが完全に硬化する前、大変硬いゴム状のエポキシとガンネルとの段差(これがあるんですね)を削るためノミ、カンナ、カンナの刃などいろいろ試して一番重宝したのはスポークシェイブでした。台が短いからカーブしたラブレイルでも削れるけれど、ガンネルまでは削りたくないので思いっきり斜めにして(小さな角度で刃が当たるように)ツンツンとび出たダクロンの切り端やエポキシを削っていきました。最後はサンドペーパーで仕上げ。

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ピッタリ合わなかったカットウォーターとラブレイル先端も整形したら、削った部分をウレタン塗装し、Geodesic Airolite Boat の製作終了です。

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(final update 2018/06/24)


セレモニーとしての進水式は行いませんが、KAZI編集者とライターの方がぜひ来たいと言っているからお天気を睨みつつ、近々秋谷海岸で処女航海。YouTubeで見たSOFカヌー進水の動画では、奥方と思しき撮影者が「No name, no champagne.  It's sorry...」と言うのが聞こえて笑ったけど、 ちゃんと名前はあるし、船医殿に頂いたOBANがあるから可哀相な進水式にはならない。

大切なものを失った私の心に火を灯してくれた。ありがとね、Frau Splitsen.