カヤック造って海へ出よう

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カヤック造って海へ出よう

 S&G工法による船の製作は比較的どころか本当に簡単です。伝統的なクリンカー張り(鎧張り,clinker-built)の船を造ろうと思ったら、船台の上にまずキール(竜骨)を据えて・・・と木工作業が延々と続きますが、S&G工法では船台すら必要ありませんし、キール、フレーム、ストリンガー(骨組)もありません(製作途中ではフレームが必要ですがあとでバルクヘッドを残して撤去)。
 マリン合板を縫い合わせてハル(船殻)を造り、ハルとデッキも縫い合わせて接合すれば船体の出来上がり。船体をエポキシでファイバー・グラッシングすると軽く頑丈なカヤックの出来上がり。いかにもお手軽かつ手抜きに聞こえるかも知れませんが、その最大のメリットは木/エポキシ複合材(wood/epoxy composit)による(卵の殻のような)モノコック構造にあります。


  • どのカヤックを造るか
    •  Nick Shadeのサイト(あるいはこちら)では彼の手になる工芸品のようなカヤックを見ることができます。その一つは全長18フィート(5.48m)全幅20インチ(50.8cm)というエンピツのように細長い船です。カヤックはそもそもアラスカやグリーンランドで人が漕ぎ長く海を行く船として造られたわけですから、その長さも細さも理に適っているのですが、それにしてもこんな船を見ると『カヤックは乗るものじゃない着るものだ』というモットーもなるほどと思うと同時に、エスキモー・ロールは必須だろうなと感じます。

       さてどのカヤックを造ろうかと考えたとき頭に浮かんだのは「(二次安定性は高いけれど一次安定性は低い)漕いでないと沈しちゃう船」はシンドイなぁということでした。カヤック製作仲間のIさんが造った船はこうしたカテゴリーの船なので、釣りをしようと竿を振りかぶったらあやうく沈するところだったとのこと。スピードを求めれば細長い船にならざるをえないでしょうが、お遊びで乗るには高い一次安定性(primary stability)を考慮しないわけにはいきません。

       と言うわけで選んだのがNich Shadeの兄弟Eric Shadeが設計したWood Duck 12です。全長12フィート(3.66m)全幅30インチ(76cm)、ハル構造としては一番単純なシングル・チャインのお遊び用カヤックです。ハルは非常に浅いV字型のボトム・パネルとサイド・パネルから構成されていますが、設計の妙でしょうかそのラインはなかなかキュートです。
      Wood Duck 12

       幅広な船底中央部はほとんど平に近いのですが、バウ(船首)とスターン(船尾)に向かってボトム・パネルを限界に近く捻り、絞り込んでいるため、ちょっとセクシーなカーブを見せています(そのためにバウ、スターン付近にフレームを配しハル形状を維持しています)。このカヤックを製作した方のサイトでは次のような記述を見ることができます。*1

      工夫されたハル形状のお陰で楽に速く漕ぐことが出来る。GPSで測定したら6.4mph(約10km/h、多分nautical mileではないと思う)も出たし、決してレース用カヤックではないけれど、頑張らなくても3時間も漕げば12マイル(約19km)進むことが出来るだろう。

      船底 バウに向かって バウから見た船底

      船底 スターンに向かって スターンから見た船体 ちょっと誇張しすぎ

       毎時6kmというのは、普段乗っているタンデムのシット・オン・トップが歩く位のスピード(毎時4km)なのに比べると速いなぁと感じさせます(細長いシー・カヤック乗りには遅いと言われるかも知れない)。全長5mの船となると車より長いですから、置き場も運ぶのも結構大変。それに比べると3.6mという全長はかなり取り回しが容易ですし、18kgを切る艇重量もありがたい。それに大きなコックピットは乗り降りがとても楽です。

       直線的でエンピツみたいなシーカヤックとは違うこのカヤックの姿はなかなかハンサム(単なる好み)。もっともカヤック製作仲間には『ドングリみたい』とか『木靴みたい』と言われていますが・・・エンピツ・カヤックがお好みでなければ、お勧めの船です。

      Chesapeake Light Craft
      complete kit: $899(約70,000円)
      wood parts only kit: $649(約\50,000)
      plan and manual only: $99(約\7,700)
  • 場所捜し
    •  カヤックを造ろうとしてまず直面するのが場所の確保でしょう。どうしても「船の全長+前後左右のゆとり」が必要になります。ファイバー・グラッシング作業を考えると、前後よりも船の左右に作業スペースがあった方が良いようです。S&G工法では船自体の製作に水平が確保された堅固な船台は必須ではありませんが、合板を船の長さに接ぐために長い平な場所が必要になります。候補を挙げてみると、

      • 専用工房:これが理想、空調、集塵設備があればなお結構
      • リビング・ルーム:外国の方で薄型テレビのすぐ脇で製作している写真を見たことがある(奥方の同意があれば)
      • 車庫:囲われていれば雨風を防げる
      • カーポート:屋根があれば雨は防げる
      • 庭:雨が降ったらブルーシートを掛けておけばなんとかなる

       まぁ置かれた状況次第でなんとでもなると思われますが、考慮しておくべきことがいくつかあります。

      1. 温度:エポキシの硬化率は温度に依存し10℃変化すると硬化時間が2倍(あるいは1/2)になりますから、作業場所の温度に注意を払う必要があります。真夏に作業しようとするとエポキシのオープン・タイムが短くなりすぎますので遅い硬化剤を使う必要がありますし、逆に真冬の屋外では(最悪)いつまで経ってもエポキシが硬化しないでしょう。このため製作場所は、屋内で温度管理が出来る所の方が良いと言えます。「エポキシは熱を好むから作業場所の温度を華氏70°(21℃)に維持すべき」という方もいらっしゃる*2。気温が低いときには、船を厚手のビニールシートで囲い電気毛布で暖め、エポキシも保温しておくと言った手間が必要になるでしょう。
      2. ダスト対策:木部やエポキシをサンダーで研磨する時には(吸い込みたくない)かなりのダストが舞いますから、近隣にも自分の健康にも対処が必要です。(あれば)集塵機に繋ぐ、風の強い日を選んで作業する(?)、防塵マスクを着用するなど気を配る必要があります。
      3. 騒音:サンダーなど電動工具の騒音は長時間になれば結構ご近所迷惑になるでしょうし、耳栓も欠かせないでしょう。
      4. もう一つ大事な要件として、造った船を出せる窓なりドアがあること(笑)。CLCのサイトにはキチンと「この船ならこのサイズの窓が必要」って書いてあります。

       プロのボート・ビルダーではありませんから、アマチュアらしく『あるものでなんとかする』という姿勢で臨めば良いのだと思います。

  • 材料調達
    •  木造カヤック/ディンギー自作で使われる材料は基本的には

      • 外殻として船の形を形成する合板(プライウッド)
      • 木製船殻の防水と補強の役を果たすエポキシ

      だけといっても過言ではありません。

      ◎合板
       『木造艇にはマリン合板を使うべし』とはどの参考書、サイトを見ても出てくる台詞です。マリン合板(Marine Plywood)はBS 1088(British Standard 1088)(もしくは Lloyd's Register:規格に基づく検査を実施しているLloyd's of London による認証)により、その接着性能、耐水性能から厚み、表材の仕上げ等々が厳格に定められています。しかし、同等の規格は日本には存在しませんし、BS 1088を取得した合板も日本では生産されていません。そうした材料の一つ、Joubert社のマリン合板(Lloyd's Resister)は次のようなものです。
      Okoume Marine Plywood

      • サイズ:1220mmx2440mm
      • 厚み:表材1.2mmの4mm厚
      • 仕上げ:表裏無しの両面仕上げ
      • 表材・心材ともOkoume Mahogany(アフリカ産 比重:0.43)
      • 接着剤:フェノール樹脂(Water Boiled Proof/WBP)
      • 値段:$56(約¥4,500)

       もっぱら船舶用として利用されることの多い合板でその耐水性には信頼が置けます。木材としての耐水性はもとより合板としての接着性能も高く、悪環境でも剥がれてくることを心配しなくとも良い(外装に使われるJAS特類合板では接着性能半減期は30年)と考えられます。この耐水性・強度はもちろんですが、木造艇製作におけるマリン合板のメリットは、その比重の小ささと柔軟性つまり『軽く曲げやすい』ことにあると思われます。4mm厚のマリン合板(Okoume)は3mm厚のシナあるいはラワン合板より柔らかく、シナ合板ならば割れてしまうほど捻り曲げても大丈夫です。この特性は木材そのものの柔軟性と表材の厚さ(心材の薄さ)によってもたらされるものでしょうが、曲線からなる船殻を造る際には大きなメリットです。

       しかしながら、このマリン合板は国内での入手は近年ほとんど不可能と言えるようです。国内生産はなく、輸入代理店にも在庫がない状況が続いていますので、入手しようとすれば個人輸入ということになると思います(カナダの木材専門ホームセンターに勤務する知人に問い合わせてみましたが、船便混載は破損リスクが高いのでコンテナでないと出せないと言われ諦めました)。大変残念なことですがキットを個人輸入する以外にマリン合板で船を造ることは諦めねばならないのが実情です(南洋材大規模伐採による環境問題も考えねばならないでしょうし)。

       そこで次善の策として考えられるのは、外装材として使われるロシアン・バーチ合板です。4mm合板から入手が可能ですが、表材がマリン合板並みに厚いものの比重0.70と重く、柔軟性は高くありません。国内輸入業者ではこの合板を「マリン用合板」の名称で販売していますが、「重く曲げにくい」ことからマリン合板と同じと考えるべきではないと思われます。
      Rusian Birch Plywood

       次に候補として挙げられるのはJASによる一類/Type1のラワンあるいはシナ合板でしょう。多少重く柔軟性に欠けることを承知の上で、はたしてこれら合板は使えるかと言えば、以下の条件で答えはYesだと思われます。

      • カヤック/ディンギーのような小型艇ならばいつも海に浮かべておくわけではなし、船の乾燥に注意すれば耐久性は確保できるでしょう
      • 圧力がかかればどんなピンホールからも浸水するでしょうから、製作と艤装過程ではエポキシによる防水加工には十分な注意を払う必要があるでしょう
      • 心材が厚く曲げにくいため薄手の合板を使いたくなりますが、その時には堅牢性を確保するためにハルの内外両面をファイバー・グラッシングするなどの工夫が必要でしょう
      • Okoumeマリン合板の持つ色味や肌理を求めても無理ですから、木肌の着色やペイントに工夫する必要があるかも知れません
      • BS1088に比べれば緩いJAS規格ですので、心材に抜け(void)がない良質な合板を選ぶ必要があるでしょう

       こうした木造艇材料としての合板についてはOne Ocean Kayaksサイト内の合板比較記事が一番現実的だと思われます。


      ◎エポキシ
       合板製船体を水から遮断し、かつ(構造的にまたモノコック構造として)船体強度を高めるのがエポキシの効果です。こうした木/エポキシ複合材によりFRP製船体よりも軽く堅固な船体を作ることができます。
       FRP艇に使われるポリエステル樹脂でエポキシの代用はできないのかと考えたくなりますが、エポキシは「半分の厚みで2倍の対衝撃強度を持つ」そうですし*3、なによりエポキシは木との相性が良く、木に対して(ポリエステル樹脂よりもずっと)強い接着強度を持つそうです。またポリエステル樹脂の持つ強い臭いはありませんし有機溶剤で希釈することはないため、その点でも使いやすいと言えるでしょう(蒸散が皆無とは言えませんから、防毒マスクの着用が勧められます)。
       エポキシの欠点と言えば、混合比に敏感であること、硬化時間が比較的長いこと、そしてポリエステル樹脂より価格が高いことでしょう。そこで、木造艇製作に特化したマリン・エポキシとして販売されている海外製品、たとえば

      • West System
      • MAS Epoxy
      • System Three Epoxy

      以外の国内で調達可能な低粘度エポキシ(接着剤)を流用することが考えられます。これらはそもそもコンクリートひび割れ補修樹脂ライニング用途に開発されたものですが、船の構造強度を増すためのフィレッティングには問題なく使えると思われますし、製品によって(たとえばコニシボンドのE206E205)はファイバー・グラッシング用途にも利用可能なほど小さな粘度を持っています。
       どの製品を使用するにしても、個々にオープンタイム(ゲル化を始める前の作業可能時間)や硬化までの時間が(温度によって)異なりますので、あらかじめテストして時間配分の目安をつけ、使い慣れることが肝心かと思われます(エポキシの比較についてはエポキシ・テクニックを参照してください)。

  • 必要な道具
    • CLCのキットに付属するマニュアルには必要な道具として以下のものが挙げられています。

      • 合板を切り、整形するための道具
        • ローアングル・ブロックプレーン
        • ジグソー
        • ノコギリ
        • ドリル
      • パネルを縫い合わせるための道具
        • プライヤー
        • ワイアーカッター
      • エポキシ作業のための道具
        • エポキシ攪拌用カップ
        • エポキシ塗布用刷毛、ローラー
      • 合板やエポキシ研磨のための道具
        • #50~#120のサンドペーパー
        • ランダムオービット・サンダーかパーム・サンダー(手で研磨も可能)
        • タッククロス(研磨粉を取るためのベタベタした布)
      • 塗装のための道具
        • 刷毛、ローラー
      • 沢山のクランプ(少なくとも12個)

      とまぁ、たいした道具は必要としません。切断、研磨、塗装作業は手道具でも可能ですが電動工具があれば楽はできます。私が使用しているものを挙げておくと、

      • マルノコ、ジグソー
      • 手ノコ
      • 電動ドリル
      • カンナ数種類(ローアングル・ブロックプレーン、小型カンナ、反りカンナ)
      • プライヤー
      • ワイアーカッター
      • 使い捨て紙コップ
      • 刷毛、ローラー
      • 電動サンダー(ランダム・オービットサンダーとオービタルサンダー)
      • サンドペーパー
      • (持ち手のついた)木工用と金工用ヤスリ
      • CクランプとFクランプ

      切断と言っても合板相手ですし、家具作りほどの精度を求められるわけではありませんから手ノコで充分いけます。研磨は電動サンダーがあれば楽はできますが、パワーがありすぎるためむしろ注意が必要です。塗装も(プロなら)スプレーガンを使うところでしょうが刷毛とローラーなんとかなります。あった方が良い電動工具としては電動サンダーでしょうか(手でのサンディングはさすがに疲れます)。

  • 製作工程
      1. パネル接合
        パネルの接合:サイド・パネルとシアー・パネルを接合して長い部材を作る

      2. パネル接合
        パネルの接合:2枚のボトム・パネルも接合して長い部材とする

      3. 縫い合わせ開始
        クレイドルにボトム・パネルを固定し縫い合わせる(スティッチ、stitch)と船の船底部分の出来上がり

      4. スティッチ作業
        ボトム・パネルのスティッチが終わり、サイド・パネルを縫い合わせているところ。4枚のフレームがパネル形状を保持している。

      5. パネル接着
        ハルのスティッチが終わり、パネル同士をエポキシで仮接着する

      6. パネル接合部補強
        縫い合わせ部を厚めのエポキシで本式に接着(フィレッティング、filleting)する

      7. パネル接合部補強
        フィレッティングをファイバー・テープで補強する

      8. ファイバーグラッシング
        デッキ全体をファイバーグラスで覆いエポキシを浸潤させる(ファイバーグラッシング)

      9. wood/epoxy composite
        ファイバーグラッシングされた船体は(木/エポキシ複合材となり)大きな強度を持つ

      10. 艤装
        出来上がった船体に艤装を施す

  • 情報源
    •  私が木製カヤックを製作するに当たって参考になったサイトへのリンクをまとめました。設計図、キットの入手先、製作方法の解説、エポキシ作業の解説、製作過程のコツなどさまざまです。

      カヤック自作サイト

      • building the Chesapeake 16 Wooden Sea Kayak
        メリーランド州在住の若者TimがChesapeake 16を自作する工程を24ステップにわたって詳細にサイトにまとめてくれている。Tipsや失敗など大いに参考になります。
      • Building the Pygmy Arctic Tern 14
        Pygmy Boats Inc.のArctic Tern 14(シングル・チャイン艇)を自作する過程が画像付きで詳細に解説されている。Pygmyの特徴と思われますが、シアー材を取り付けていません。
      • Building the Pygmy Coho
        Pygmy Boats Inc.のCoho(マルチ・チャイン艇)を作る過程が画像付きで詳細に解説されています。マルチ・チャイン艇なのでその工程は大分異なります。この船もシアー材を取り付けていません。
      • 建築屋のシーカヤック作り
        ブログなので製作過程を一覧するのが大変ですが、拝見していて一番お勉強になりました。それもそのはず、作者はプロの大工さんなので、もの作りに対する姿勢そしてもちろんその技術も尊敬。お子さん連れのカヤックツアーでは素敵な親子関係もうかがえ、こんなお父さんと育つ息子さんは幸せですね。
      • Building The Bear Mountain Magic
        これもWest Coast Paddler内のカヤック製作ギャラリーです。277枚の写真と説明つき製作過程がとても参考になります。製作者は女子なので、カヤックには飾りの「光り物」がいくつも、などとからかっていられないほど丁寧で見事な仕上がり。マルチチャイン艇ですが、フレームを多用し(その後除去)外板をS&Gしていき、ハルとデッキの接合もS&Gです。Figerglassing後のエポキシとニスのコートが5回!!
      • Building the Osprey Standard
        Mr. WayneによるPygmy BoatsのOsprey Standard(マルチチャイン、15.8ft)の製作記です。カヤック製作もエポキシ作業も初めてという方なので、その心配性(失礼)と相まって製作記やTipsは大変役に立ちます。エポキシのコート具合を気にする彼に、奥様が「船でしょ!ダイニングテーブルじゃないんだから」と言うくだりには思わず爆笑。記事中にあるリンクの数々も注目です。
      • Wood Duck 12を作る
        同じCLCのWood Duck 12をキットから作っている。マニュアルの記述にいくつも変更・改良を加えていらっしゃる。特にパネル接合のフィレッティング(maximum strength with minimum weight.)、グラッシング時のエポキシ垂れを防ぐ方法などとても参考になります。ハルとデッキの接合部フィレッティングに際しての決意表明には思わず爆笑!"I picked up my tools and dove into the inferno. "

      カヤック設計図、キット、完成品の入手(順不同)

      • Guillemot Kayaks
        CLCにデザインを提供しているカヤックデザイナーNick Schadeのサイト。
        細身でとても優美な典型的グリーンランド・カヤックをデザイン(製作)している。こちらの広告はxda-developersのフォーラムで目にしますが、ちょっと不思議。
      • Custum Handmade Wooden Kayaks
        Nick Schadeのサイト。ここのカヤックは工芸品(Fine Art)ですね。ストリップ・プランキングに加え、カーボンファイバーによる補強など実に手が込んでいるし、そのため完成品はお高い。
      • Shearwater Boat
        Nick Shadeの兄弟、Eric Shadeのサイト。私が製作しているWood Duck 12は彼が設計した物です。
      • Chesapeake Light Craft
        カヤックのみならず手漕ぎボート、ディンギー、(小さな)クルーザーにわたるWooden Boatの製作、キット販売を行っている会社の中ではおろらく一番の大手。パドルやPDFもお安い。場所は合衆国東海岸アナポリス。私はここからキットを個人輸入しました。
      • Pygmy Boat Inc.
        CLCとは思想が違うようで、製作工程が違う(こちらの方が作業が多いかな)けれど、いずれも美しいカヤックです。場所は合衆国西海岸ワシントン。
      • JEM Watercraft
        ここは伝統的シーカヤックというよりリクレーショナルカヤックのデザインを提供しています。sit-on-topカヤックまであり、製作仲間のIさんはここから設計図を入手しました。それに、ギャラリーの写真のある艇種では全部にイヌが乗っています!
      • Blue Heron Kayaks
        Ross Leidyによるカヤック製作とデザインサイト。ストリップ・プランキングによる細身のグリーンランド・カヤックが主だが、有り難いことにデザイン・ソフトウェアが公開(フリーソフト)されている。また、how-toのいくつかは大変参考になります。
      • One Ocean Kayaks
        カヤック設計、販売をしているサイトの中ではカヤック製作についての詳細情報が一番豊富です。実用的カヤック製作ハンドブックと呼べる小冊子の販売もしています。
      • Laughing Loon
        こちらもストリップ・プランキングによるカヤック・デザインのサイトだが、なにが気になるって、その名前とロゴ!なんと「Great Northern Diver(大オオハム)」ではないか!ページの一番下にあって見つけにくいですが、メニューの中には「How-to Make a Transparent Glass Lay-up」というエポキシ作業についてのTipsがあり、これにはビックリ。またメニューにあるStrip Build法はたいそうユニークで、その工法の船を造ろうとしている方にはきっと有用だと思われます。リンクも充実しています。

      エポキシ作業について

      • How-to Make a Transparent Glass Lay-up
        Laughing Loon内の記事、エポキシのファイバーグラッシングを透明に仕上げる方法について述べているが、特徴は「薄い(粘度の低い)エポキシを使うこと」、「温度(室温、木材の温度、エポキシの温度)を上げること」、そのために「ヒートガンを使用すること」まで述べている。またエポキシを塗るのに使うスキージ、刷毛、ローラーの特徴、ベストはどれかについても述べている。
      • Thinning epoxy
        West Systemのマニュアル内の記事で、エポキシの粘度を下げる方法とその効果(デメリットも)を述べている。
      • The Epoxy Book
        System Threeが発行している「エポキシ・ブック」へのリンク。
      • Cheap Epoxy Measuring Gauge
        Blue Heron Kayaks内の記事。エポキシ計量(重量でなく容量)のチープな方法。計量のための窓を開けた紙コップの中にもう一つ紙コップを重ねるって、アイディアです。
      • The Epoxy Test
        One Ocean Kayaks内のページで、6種のマリン・エポキシの粘度、透明度、耐候性、アミン・ブラッシュの有無等をテストしている。

      カヤック製作全般

      • The History of Okoume Marine Grade Plywood
        マリン合板のパイオニアであるBruynzeel社の歴史とマリン合板について。もともとは家具(ドア)製造会社だったそうな。どういう訳か化学製品会社のサイト内のページ。
      • Marine Plywood, BS1088 and Lloyd's of London
        The WoodenBoad Forum内の記事。カヤック製作に使用されるマリン・プライウッドの規格(BS 1088)とLloyd's規格について、それを満たす製品について述べている。
      • 合板の比較
        One Ocean Kayaksサイト内の記事で、カヤック製作に使用する各種合板の色味、表材の厚みなどを写真付きで比較している。表材の厚みの違いによりスカーフが難しくなるのが良く分かる。ラワン合板の心材抜けが情けない。
      • 木造艇製作の周辺技術
        丹羽 章二「木造艇製作の周辺技術 その15」「KAZI誌」1994年12月号の再掲と思われる。ヨット、カヤック製作で使用する合板(プライウッド)について考察している。
      • TMCの自作ボートマニュアル
        TMC(タツマリンタイムコンサルタンツ)内のボート自作に関するページです(Topからのリンクがわかりにくいので直リンクです)。マニュアル内の「ボート材料比較、木材、ボート用木材、ボート用合板」の箇所は参考になります。マリン合板に代わる材としてロシアン・バーチ(接着剤に耐水合板で使用されているメラミン樹脂より強固なフェノール樹脂を使用している。5mm厚からしか入手できず、比重が大きいのが難点か)を挙げていらっしゃる。
      • S&G工法の実際の映像
        Pygmyboats LTD.による”Arctic Tern 14 Construction Sequence”と題したYoutubeへの投稿で、33工程に及ぶ55分の映像が分割されアップロードされています。その中の特に”18. Glass the Outside of the Hull”はファイバーグラッシングの様子が映っていて大変参考になります。このカヤックはS&G工法の中でも特にエポキシによる接着・強化を旨としているようで、シアー材は無し、フィレッティングとグラステープによる強化も無しという徹底ぶり。パネルの接合はバットジョイント、合板の曲げ加工より多数のパネルを使って船体のカーブを出すというPygmyboatsらしい作りになっています。
      • INDEX of Stitch & Glue building pages
        One Ocean KayaksサイトのS&G工法を説明したページ群の目次です。カヤックを製作・販売している会社ですが他のどの製作者のサイトよりその説明が参考になりました。様々なTipsは、実際に製作してみてなるほどと思わせるものでした。
      • S&G工法と合板を接ぐ方法
        One Ocean Kayaksサイト内のS&G工法を説明したページ。特に合板の接合方法(ページ1から3b)についての解説が丁寧で参考になりますし、発展版パズル・ジョイント(ScarfLOCKと称している)の解説もあります。ページ2(scarfing)には丸ノコでスカーフ作る方法も写真で紹介されていますが、これの治具はWest Systemで販売していますね。
      • パズルジョイントの作り方
        合板を接ぐスカーフ・ジョイント、バット・ジョイント以外の方法としてパズル・ジョイントがありますが、その試行例です。2006年の記事ですが今ではキットメーカーでも採用しています。記事はDuckworks(boat builder向けサプライヤー)サイト内ですが、見つけにくいので直リンクです。
      • 犬の骨スカーフ
        もう一つ合板を接ぐ方法。犬の骨(dog bone)型チギリで接いじゃおうという方法。上に比べるとずーっと大変そうです、可愛いかもしれないけど効果の程は?
      • ファイバーグラスによるバット・ジョイント
        H. H. Payson("Boats with an Open Mind"の著者)によるもう一つの合板を接ぐ方法。バット・ジョイントですが木片の替わりにファイバーグラスで両面を補強しようというもの。Pygmy Boatsの製品はこの方法を使っていますね。
      • Woodhaven Scarfing Sled
        Duckworksのサイト内にあるページ。スカーフ・ジョイントを作るには鉋で削る、ベルトサンダーで削るなどありますが、ここでは専用治具上にルーターを動かして削っています(動画あり)。正確でしょうし、沢山のカヤックを造るにはこういうものが必要かも知れません。こうした治具なら自作も可能かな?
      • Tips and Tricks
        Mr. Wayneによるカヤック製作サイト内のTips and Tricksのまとめ。先輩のアドバイスとして有り難く拝聴。「場所がないのを言い訳にしないこと」だって。
      • Duplicate a Production Seat
        Blue Heron Kayaks内の記事。エポキシ作業をしているんだから、シートもエポキシでモールドしちゃえ!という内容。快適そうなシートです。
      • KayakFoundry - Kayak Design Software
        カヤック設計用ソフトウェア(フリーウェア)です。Blue Heron KayaksのRoss Leidyが開発(?)したもの。同サイト内のフォーラムにはこのソフトで設計した色々なカヤックデザインがアップロードされていますので、それを読み込んで雛形として使うこともできます。図面からフレームを抜き出して印刷することも可能です。
      • Stitch -N- Glue Light v1.2
        こちらもカヤック設計用ソフトウェアで、Washington Wood Craftが公開しています。ダウンロードにはメール登録が必要です。上のKayakFoundryはもっぱストリップ・プランクによるラウンド・ハルの設計用(無理すればチャイン・ハルも可能)なのに対し、こちらはその名前の通りチャイン・ハルを意図したものです。設計したファイルを送ると原寸図を印刷してくれるサービス(有料)もあります。サイトには使用法の詳しい説明もある。
      • Strip Building Techniques
        Laughing Loon内の記事。ストリップ・ビルド・カヤック製作で最も重要なストリップの張り方について。「(標準より)薄いストリップを使うこと」「ヒートガンで加熱してストリップを曲げること」といったTipsを述べている。

      材料の購入先

      • Hiro Wooden Canoe Shop
        国内でシステム・スリー社のエポキシを取り扱っている。The Epoxy Bookの日本語訳を入手できる。
      • Seven Seas Inc.
        国内でInternational社のゴールド・スパー(ポリウレタン樹脂ニス)を取り扱っている。
      • ミヨシ・コーポレーション
        Lloyd's規格のオランダBruynzeel社製マリン・プライウッドを取り扱っている(2012年現在在庫ほとんどなしだそうです)。
      • 米屋材木店
        専門材木店(横浜南区)なので取り扱い樹種が豊富で専門知識も確か。プロの加工機械を備えており加工にも対応してくれます。私はここで4x8耐水ラワン合板を購入しました。
      • FRP材料販売 Featherfield
        ここからファイバーグラスなどを購入しています。薄手(4oz、100g/m2)のものがありますし、こちらのグラスは幅が104cmあるので使いやすい。

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