前回ブログをアップロードしたのは8月末、愛犬ロジャが逝った後のことでした。それから再び最愛の物を失い(人じゃありませんからご安心を)しばしサイトも放りっぱなしでした。でも、水は橋の下を流れていくからな、前へ進まないと。
と言うわけで木製カヤック改造計画着手です。やろうとしているのは「カヤックにセイルつけて帆走してやる!」そのための改造がいくつか、それにヴィッキー(Flat Coated Retriever、3歳)をカヤックに乗せるための改造が付随します。なにせ一人乗り12ftのカヤックだからイヌを乗せるのは無理があるし、第一おとなしく乗っておらず飛び込んで泳いでは「乗せてー」と上がってこようとする。こいつをカヤックに引き上げるにはそれなりの一次安定性がないと、そくチンということになる。以下、順不同ですが改造の様子をお知らせします。
・改造その1:スケグ取り付け
短いカヤックだからあまり直進性が良くない。クルクルよく回る船が好みだったからそれで良かったのだが、帆走を考えるともう少し直進性を良くしたいので、小ぶりのスケグ(フィンでは砂浜乗り上げ時に破損の心配が)を取り付けます。長さ60cm、高さ30mm余りのスケグをスターンに取り付けますが、板一枚では無理なので本体両脇に基材をつけ、さらにフィレットで補強することにします。材は6mmマリン合板の端材です。
取り付ける場所を広く研磨しニス層を取り除いておきます。キールラインに垂直にスケグが付くよう注意を払いチョン付け。フィレットを盛り、ナイロン布を貼り表面を滑らかにし、一度研磨しましたがまだフィレットの厚みが足りないのでもう一度フィレットを盛りました。研磨後リニア・ウレタン・ニスを塗って完成です。
・改造その2:ビルジキール取り付け
カヤックだからころころロールするのは当然。でもね、イヌ乗せてると、ましてイヌをカヤックに引き上げようとするとあわやチンというほどロールする。これを抑えるには広いビームが必要だし(今でもビームは30inchsもあるが)、帆走となったらことによるとアウトリガーが必要かもしれない。でもアウトリガーを付けるのは美しくないからな。そこでビルジキールを思い至る。ロールを抑えてくるだろうし、チンするまでもっと踏ん張ってくるかもしれない。
一番広いビームのあたり、コックピットの人(とイヌ)の座るサイドに小さなビルジキールを取り付けるが、砂浜引き上げの際に邪魔にならないようキールより飛び出ない大きさとする。材はこれも端材の6mmロシアン・バーチ。取り付け角度は正式には船の回転軸と同じ方向にするそうだが、そこは目分量。
ハルカーブに合わせた合板を支持板4枚で支え、ボトム側(下側)にフィレットを盛り、ハルとの接着はファイバー・グラスに頼り、念のためグラステープとの2層とする。ハルの側面への接着は外からハルにビス留し、支持板ごと厚いフィレットを盛ってしまう。これにファイバー・グラスを貼って更に強化しますが、なにしろスケグより遥かに力がかかる部分とは言えちょっとやりすぎかも。しかし実に頑丈に付いたから、まぁ「もげちゃう」心配はあるまい。
さてビルジキールの効果は如何に?確かにパドリングの度にロールするのが抑制されている(ような気がする)し、体を左右に動かしてカヤックを揺らしてみても以前よりロールしない。さらに直進性もスケグだけ(もう一ぱいのカヤックにもスケグだけつけている)より良いみたい。
10月のような穏やかな日に岸近くで思いっきり体を傾け、どこまで耐えてくれるか試してみましたが、チンさせるのが大変なほど頑張ってくれました。ビルジキールのないもう一ぱいは、体を傾けていくとそのままある点を超えるとクルンっとチンしてしまったから、その効果は歴然と思われます。
これでイヌを引き上げるのも安心(というか、飛び込んで泳ぐなよ、ヴィッキー)。セイル張っての帆走だって行けるかもしれない(ワクワク)。
11月に入ったけれど、海はまだまだ暖か、あと一か月は改造+テストのために乗れるかな。