ディンギーを失ったから木製カヤックにセイル張って、なんとか帆走してやろうと試みた。そのリグとセイルはオーストラリアのハンググライダー乗りの設計者が考案したもので、もともとはHobby Kayak 向けに作られている。

このHobby Kayakはシット・オン・トップで、足で船底のフィンを動かして進むという変わったデザインだけど、そのフィンがセンターボードとラダーの役を果たすからカヤック・セイリングには打ってつけ。設計者にこの自作カヤックに取り付けようと思うと写真送ったら、スタンダードなセイルではなく一番新しい設計でセイル面積が小さく(2.3 mx2)アスペクト比も小さな方(マスト長 2.5m)を勧められた。製品名は「Stubby(ずんぐりむっくり)」、確かにスタンダードセイルと比べると、マストが低くフットが長くておデブだ。ルーズフット・セイルは航空機用高張力アルミパイプ(23mm径、3本繋ぎ)に被さっているから、クルクルとファーリングできちゃうのがなんとも便利。

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これまで3回帆走してみたが、結構上るような気がするし(多分気がするだけ)アビームまでは何の問題もないのだが、リーチングからランニングになると、セイルが内側に巻いてしまい袋の様になり、風を流せずため込んでしまうので強いブローが来たら即チンだろう。

解決策はもちろんブーム。12mm径アルミパイプを水道管用PVC(内径13mm)に差し込み、両端にフック(ディンギーに取り付けていたナイロン製ジャムクリートとホーンクリートを流用)を取り付け、セイルのクリューとタックでブームを突っ張ってやる。両クリングルにダイニーマで作ったコンティニュアス・ループを取り付け、それにブームを固定する。

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玄関先で後ろからの風を受けてみるとこんな具合。

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ブームがもっと撓むかと思ったけれどそんなこともなく、結構良い具合。

船を造るとそのリグに頭を悩ませるし、スパー造ったりセイルを注文したり(自分じゃ縫えないからなぁ)と船体造り以外の作業にかなりの時間と手間が必要。でも、このカヤック用セイル、マストがあと1m高いスタンダード版あるいはもっとセイル面積の大きなヤツ(3.3 mx2)なら、ディンギー用セイルにだって十分流用可能な気がする。クラシックなリグへのこだわりはもう捨てたから、ファーリングできちゃうこのリグがちょっと気に入ってます。

今週、試験帆走してきます。誰か見に来てくれないかなぁ?

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