ゼミにいた変わり種の一人から、(仏)ストラスブール大に博士論文を提出したから先生(いまだにそう呼ぶ)にご報告したいと連絡があり、のこのこ都心まで出ていった。


すでに筑波大の博士号を持っているのだが、同時に所属していたストラスブール大(だって年間の博士課程学費が7万円だと言うんだもの、さすがフランス)の指導教授から学位論文を提出しても良いと言われ、頑張ってA4 300ページ(大著一冊分だ)の論文を書き上げ先日向こうへ送り受理されたそうだ。

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久しぶりに会ったのに話はほとんど哲学のことばかり。そっちがその気ならと乏しい知識で相手をしてみたが、こちらの話にちょっとでも論理破綻があるとすかさずそこを突いてくる。分野違いの(元)先生だからなんて配慮や遠慮は一切なし、流石だし半ば呆れたが、そぉでなくちゃフランスでPhD(向こうでは何と呼ぶんだ?)はとれないよな。

まだこの先4時間に及ぶ公開口頭試問が待っているからそのために渡仏するが、前祝いとして盛夏だから「」でもと思っていたけど、何でも食べたいもの奢るよと言ったら「トンカツが食べたい」だって、お安く済んじゃった。トンカツ+エビフライの盛り合わせをパクパク食べて、八重洲口から高速バスで筑波へ帰っていった。


卒業以来、先生(私のことだ)の知らない遠く離れたどこかで、たくさんの時間が流れ、その間にどれほどの苦労、努力、辛抱、希望と失望、そして挫折と喜びを味わってきたのか想像するしかないけれど、小さな体なのに彼女は弱音も吐かず一人で乗り越え、生きてきた。

大笑いしたのはドイツの温泉保養施設へ遊びに行った時のお話。水着着用の広い屋外温泉プールの他にも屋内に小規模な温泉療法施設があったそうだが、そこへ入るには全裸がルールでタオルも禁止。入ろうとしたら男女混浴。思い切ってドイツ人男性3人の中に入って行ったそうだが、彼女も含め皆一言も発せず、出るに出られずじっと湯につかって我慢していたそうだ(笑)。

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