連休の一日、ゼミの卒業生が訪ねてきた。去年2月にもやって来て工房で製作中のディンギーを見学したし、学生だった頃には4人でやってきて海へも行かず部屋でトランプなんかしてて呆れたもんだ。彼はおとなしい子で、言いたいことがあるのにどこか自信無げにオドオドしたところがあって、思っていることを遠慮せず言えよと何度も促した。今は障害児教育関連の施設で働いているのだが、久しぶりに会いその振る舞いや物言いに「ほぉ」っと思わせるところがあった。
職場近くに一人住まいなので自然と話が食事のことになる。市販のパスタソースをあれこれ食べてるというから、市販のものだとどうしても万人向けの決まりきった味だよね、自分で作ればと言ったら、ぜひ教えろと言うから私の手抜きレシピをご開陳。
ベースとなるトマトソースから作った方が美味しいだろうが、トマト缶(ホール)には妙に酸っぱいやつもあるし、20分コトコト煮詰めるのが面倒だから市販の(Barillaとか)瓶詰ソース(4人分)を買ってきて、それに素材を足し自分なりの味に仕上げる。
- ニンニクのみじん切りをオリーブ油に入れ、焦がさないように香りを移す
- そこへアンチョビのみじん切り(一人分フィレ一枚、市販のソースは塩気があるから)
- カラマタ・オリーブのみじん切り(輪切りでも。一人分3~6個)を加え温める
- (あれば)ケイパーも加える
- あっさりならこれで良いが、ボリューム感のためにツナ缶(4人分1缶)を加える
- 弱火で充分温めたら小分けにして冷凍しておく
- 食べるときは温めたこのソースにパスタの茹で汁をレードル一杯加える(煮詰まってるから)
- オリーブ油を乳化させトロっとした感じにする
- 時々は最初にオリーブ油で鷹の爪を温め怒った味にする
- 季節の野菜(水気を切ったナスとか菜花とか)を加え(アサリだってハンバーグだって入れちゃう)、堅茹でしたパスタに絡める
- 彩りにパセリを散らして出来上がり
ツナ缶の油は捨てるか入れるかなどはお好み。このソースにはパルミジャーノは振りかけないのがルールだそうだがそんなの無視。フジッリに合うと思うのだがスパゲッティでもOK。それにしてもなんで「娼婦風」と呼ぶのかな。
たった一年ほど会わなかっただけだが、先日会った彼には自信、独りよがりの押しつけがましい自信ではなく、多くを理解したとおぼしき素直な自信が言葉の端々に感じられ、「いい子になったねぇ」と言おうと思ったが大人の彼に失礼だから「いい男になったねぇ、モテるだろう」と言ってやったら、ちょっとはにかんだ照れ笑いを見せた。自分の学生だった子の成長を目にするのは幸せなことだ。
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