週末に船医殿が遠路はるばる車を走らせて工房までいらした。これが二回目のご訪問、木造艇自作の話に始まり、時にはシリアスな事柄にも話題がおよび、楽しく充実した週末を過ごすことが出来た。

日曜日は幸運にも梅雨の晴れ間。カヤックで海へ出たことのない船医殿を誘い、ちょっと沖合まで出て、短い時間だったけれど風も波もない海面に2ハイで漂っていました。

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船医殿がいらっしゃった土曜の午後、舵誌のI氏が新艇の取材に来訪。前のディンギーの取材にもいらした彼は新艇を見てビックリ仰天。その構造を説明したり、なぜこの船にしたか言い訳をしたり、ご自身もヨット乗りだからいろんな点で話が通じるのがなんとも嬉しい。

沢山の写真を撮り終わって一段落ついたところで工房の片隅を指し、「あれが Nancy の残骸」と伝え、その顛末を話し始めたら不覚にも涙がこぼれてきた。涙を拭うこともせず流れるにまかせ、しばし無言の時間が流れた。

I氏から新艇の進水式にはライターのM氏ともどもぜひ呼んでくれと言われ、新艇の名前を聞かれた。一昨昨日工房で新艇を見物したイヌ友達から言われた。「今度は失わないように御札でも貼っておかないとね」と。それで船に付ける名前を決めた。

Splitsen

スプライス(シートをより合わせること)の蘭語。そこから、決してほどけることのない結びつきの意。二度と失わないように、ずっと一緒にいられるように、そんな願いを込めた。


船医殿から白河ラーメンともちろん「ままどおる」をお土産に頂いた。それに途中で買ったという宇都宮餃子も。一人住まいには食べ物が一番と良く解っていらっしゃる。ありがとうございました。

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